クリニックと集客

歯科クリニックにとってホームページとは

厳しい競争を勝ち抜くためにはオリジナルホームページを持っていることが絶対条件です。

自費診療治療の患者さんはホームページでクリニックを選びます

毎年のように保険診療点数が下がり、毎月の売り上げも減少する中、自由診療治療を増やすことは当然の考えです。では自由診療治療を受けようと考えている患者さんは何を見て歯科クリニックを選ぶか?
「自由診療」という健康保険の効かない大金のかかることに患者さんがクリニックを選ぶのに慎重になるのは当然のことです。
「自宅のそばにあるから」「知り合いに勧められたから」という理由だけで果たして大金を支払うでしょうか?
現在若者からお年寄りまで、日常的にネットを利用している方はほとんど、評判、便利さを考慮したうえでホームページを検索して歯科医院を探します。

特に審美歯科の潜在的な患者となる仕事を持っている若い女性層、またインプラント治療の患者になり得る中高年の所得が高い層ほどその傾向が高いです。
「うちは自費治療もそこそこあるし、ホームページなんかいらないよ。商売じゃあるまいし・・・医療とはそんな物じゃないよ。腕さえよければ患者さんというのは自然に増えてくるものだよ。」
よく聞くお話です。確かにそんな時代もありました。

医療法で宣伝広告ががんじがらめに締め付けられ、どの歯科医院の看板を見ても診療科目、診療時間、電話番号、院長の名前しか載せる事しかできなかった時代はそういう歯科医院が勝ち、売り上げを伸ばしていっていました。
もちろん現在でもそのような方法で売り上げを伸ばしている先生もいらっしゃると思います。
しかし我々のような平均的な歯科医師が、今後そのような方法で売り上げを伸ばすことができるでしょうか?
実際今そう言っておられる先生の歯科医院はホームページなしに本当に自由診療の患者さんを増やしているのでしょうか?
徐々に患者さんが減っているのに気付きながら、敢えて見て見ぬ振りをしているのではないでしょうか?

ホームページとは患者さんがこれから大事な自分の歯を預けようとする歯科医院を、自宅に居ながらにして比較することができるツールです。
北海道から沖縄まで全国津々浦々、ホームページを持っている歯科医院はすべて対称になります。
従ってホームページを持たない歯科医院はその「選ばれる」という土俵にすら登っていないというのが現状です。

私自身の経験をお話しいたします。

私の歯科医院は名古屋市東部にありますが、名古屋市内全体はおろか、50km離れた三河地方、100km離れた岐阜県山間部、200km離れた京都、長野方面からなど、遠くの方から患者さんが来院されます。
この方たちはホームページがなければお会いすることはなかった人たちです。また遠くから来られる方の特徴は皆自費治療です。いくらホームページの内容がよくても、わざわざ高い交通費を払って保険治療には来ません。
多くの方は「本当は全部お願いしたいのだけど、遠いので奥歯の小さいムシ歯の治療は地元でするから、先生に前歯のセラミックの治療をお願いしたい・・」「残りは地元でするから、インプラント治療だけお願いします。」とおっしゃいます。
このことは何を意味するかわかりますよね。
いちばん「おいしい」自由診療の部分を私のところでさせて頂き、労力と比較しても報われない保険診療の部分を地元の先生が担当する・・先生にいくら腕があっても、患者さんに知ってもらわない限り、先生の腕を振るう場がありません。
素晴らしいインプラント治療の腕を持ちながら、患者さんはすでにインプラント治療を他院で行った後で、先生の仕事は保険治療ばかり、こんな経験はありませんか?

ホームページなんか持つのは商売っ気があり、自分のポリシーに反する、というドクターの話しをよく聞きます。
厳密に言えばそうかもしれません。しかしそれでは医療とは全く商売ではないのでしょうか?
クリニック経営という商売の売り上げで生活をし、子供を育て、家族で幸せに過ごす・・これは当然の事と思います。
それどころかむしろクリニックの経営状態が安定していれば、収入の心配もすることがなく先生方も診療に専念することができ、ひいては患者さんの利益にもなります。「貧すれば鈍す」残念ながら不正請求など反社会的な行為を行ってしまい、処分を受けた先生も最初から悪いことをしようと思ってやったのだとは思いません。経営状態の悪化が心の中にある悪魔を呼び起こしてしまったのだと思います。「経営の安定」は開業医である以上必須のことなのです。

はじめは私も皆さんと同じでした。

私のクリニックも、7年前ホームページを開設する前は保険診療が90パーセント以上、自由診療もごくたまに出るメタルボンドがあるだけで、どこにでもある郊外型の歯科医院でした。
その頃は毎月レセプトの時期になると患者数の増減や売り上げに一喜一憂し、来月は頑張らなければと思っていました。「頑張らなくては・・・」といっても実際具体的な方法を考えていたわけでなく、今思うと気持ちだけが先走って実際は何もしていませんでした。
やはり多くの患者さんを診ないと売り上げが上がらないためそのころはがむしゃらに働いていました。とにかく患者さん一人当たりの単価をあげることに一生懸命だったような気がします。具体的には古くなっているアマルガム充填のやり直しや、WSDのCR充填など、考えられることはすべて行い、売り上げアップに努めていました。私にとってがむしゃらに働くとはそういうことでした。

もちろん患者さんに対してはきちんとしたある程度以上のレベルの治療をしたつもりでしたが、その診療スタイルに釈然としないものを感じていたのも事実です。その頃の医院規模はチェアーが4台、常勤ドクターは私一人で、週に2日、アルバイトのドクターに手伝ってもらうような診療形態でした。
ちなみに衛生士が3人、助手が2人でした。保険診療中心で患者数は1日30人ちょっと、自分では「周りの歯科医院よりは多少患者さんは多いかな」と優越感に浸っていたこともありました。
しかし6月と12月、従業員のボーナスの時期になると憂鬱になり、こんな状態がずっと続くのかな・・・と諦めムードで将来を憂いたこともありました。

2年に1度の保険点数改正によって治療単価が下がり、極めつけは小泉前首相の医療費抑制政策で社会保険本人の負担割合が2割から3割に上がったとき、私の歯科医院にはこの医療費抑制政策の大きな影響を受けました。 患者数の大幅減を招いたのです。
やはり東大出の官僚の考えることはすごいなと素直に思いましたが、そのとき私はある確信をしました。
「保険診療中心の歯科医院を続けたら将来はない。何とか転換しなければ・・・」そんな私にいったい何ができるのだろう・・・いろいろ考えました。
自分の得意分野を生かしたり、なにか特徴のある歯科医院を作れば何とかなるだろう・・・。レーザー治療を始めたのもその頃ですし、なるべく快適に痛みのない治療心掛けました。研修会にも積極的に参加しましたが、経済的な理由でよくある10万円を超えるような高額な研修会には参加できませんでした。

しかしそんな努力に反して患者数は増えませんでした。急激な減少は避けられたものの、現実は甘くありませんでした。
従業員に対しては接客態度の向上を求めましたが、今までのぬるま湯につかっていたスタッフには何故私が急にそのようなことを求めてきたのか理解できなかったようで、アットホームな雰囲気から次第にその関係はトゲトゲした物となって行き、そのことが悪循環になって行きました。患者さんもその雰囲気を分かったのか来なくなる方も多くなり、私はそれを無能なスタッフのせいだと思い込みました。従業員が辞めても「ちょうどよかった、患者も少なくなってきたことだし・・」と思えてしまいました。

これは「歯科医院のデフレスパイラル」で、こうなると抜け出すのは容易なことではありません。 (患者の減少→スタッフには理由の分からない労働環境の悪化→スタッフの不満による退職→サービスの低下→患者の減少)
多くの場合はそれでも何とか食うだけはできるので脱け出そうとする努力をする先生は少ないと思います。

ホームページの立ち上げが転機でした。

私がそのような状況を脱することができたのはホームページを立ち上げたことが大きな理由になったと思います。
すべての文章を夜診療が終わった後1人で書き上げ、症例写真も少ないながらも撮っていたので1ヶ月ほどでホームページを作成することができました。
10ページほどの簡素なホームページでしたが、すぐ効果はてき面に現れました。
その頃はまだまだホームページを持っている歯科医院も少なくタイミングもよかったのだと思います。

地区の歯科医師会では名指しこそされなかったものの、ホームページの公開をする歯科医院(その当時はその地区では私の歯科医院だけでしたので・・)は統率を乱す、という理由で総会にていろいろ議論されました。
新患数が急激に増えたため、「これはよい方法だ。」と思い、恩返しのつもりで昔お世話になった先生にホームページの立ち上げを勧めたら、「俺は仮にも歯科医師会で役員をしている。そんな俺がホームページを出すことはできない。」と言われました。この先生は人間的にも非常に魅力のあり、経営者としても優秀な方だったのですが分かってもらえませんでした。私としては純粋な気持ちでお勧めしたのにも関わらず、です。

そのとき確信したのが、「一般の開業医、しかもこんな○■先生までそういう意識だから、ホームページを公開しているメリットはしばらく続くな・・」そう思いました。つまり敵が増えるのはまだまだ先だろうな、という意味です。

そのころYahoo!に登録されていた愛知県内の歯科医院は30件もなかったと思います。ちなみに2008/5/3現在441件登録されています。

残念ながら当時とは状況が異なり現在ではホームページは立ち上げることだけでは増患には繋がりませんが、まだまだ方法はあります。
そしてホームページを立ち上げてから2年ぐらいしてからだったと思います。あるテレビ局より取材の申し込みがありました。自分でもまさかテレビに出られるなんて・・と緊張しましたが、テレビ局の人も最近はネタ探しをホームページにて行っているようです。
その後いろいろな番組からほぼ毎年取材を依頼されています。また雑誌や新聞社にもいろいろ出させて頂くことができ、今では名古屋で審美歯科、インプラント治療といえば私の歯科医院が数番目には出てくるほど名前を知ってもらうことができました。
こうして歯科医院の「ブランド化」が出来上がってきたのだと思います。

今では審美歯科治療やインプラント治療を検討するとき、来院には繋がらなくても多少は頭の隅に置いてもらっている自負があるところまで来ました。
しかし状況の変化は非常に早いです。安住する間などありません。新しいアイデアを出していかないとすぐ元の7年前のあの苦しい状態に戻ってしまいます。私は絶えずそんな危機感を持っています。

歯科医師同士友人であり、敵でもあります。敵にノウハウを教えるのは得策ではないかもしれませんが、私の仕事に影響のない地域の先生にすべてのノウハウをお教えしたいと思います。

さあ、あなたも始めてみませんか?

歯科はやり方によってはまだまだ将来性のある分野です。発想を転換すれば明るい未来が待っていると思います。

最後にひとつ、ホームページを作るのも読むのも人です。古臭いようですが何かしら心が通じ合う物がなくては人の琴線に触れることはできません。
歯科の現状が分かっていない業者が作るホームページは説得力がないだけでなく、かえって嘘っぽく感じることさえあります。インプラント治療や審美歯科治療などの説明が、ありきたりの挿絵だけであったり、写真でも本から取って来たような症例だけでは患者さんは見てもくれません。必ず次の歯科医院のホームページが検討対象になり、二度とそのサイトに戻ってくることはありません。

実際に現場で行われていることは、診療を行っている歯科医師が文章を書いてこそ説得力があります。写真もヘタでもいいから正直なものを提供すれば、必ず読み手に分かってもらえます。歯科医院のホームページは実際に患者を集める魅力があってこそ存在価値があると思います。具体的な方法は後で述べたいと思います。まずは勝負の土俵に登ることから始めませんか?

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